クラスメイトに折り紙をプレゼント
――家で過ごしていた小野川さんは、どんなきっかけでまた学校に行くようになるのでしょう?
小野川:何がきっかけだったかは忘れてしまいましたが「また学校に行こう」という話になったんですよね。それで、そのときに「クラスのみんなに折り紙を折っていこう」と思いついたんです。当時、折り紙の本を買ったり、図書館で借りたりして、家でひたすら折っていたんです。分からないところは、知り合いのお母さんに聞いたりして、それで30人分、恐竜とか、ゴジラとか、難しい形のものを折って、袋いっぱいに詰めて持っていきましたね。
――おお〜! クラスメイトの反応はいかがでしたか?
小野川:先生が配ってくれたのですが、喜んでくれました。以前テレビに出たときに、同じクラスだった女の子が「あのときの折り紙、まだ持ってるよ」って、母を通して教えてくれて。それにはちょっと感動しましたね。人に何かをしてあげるのが好きなんだと思います。
――周りには、折り紙を教えてくれる方もいたんですね。
小野川:知り合いのお母さんは手芸が得意で、手先も器用だったので、家に行って教えてもらっていました。学校にこそ行っていなかったですが、結構自由な課外授業みたいな感じで、母にも美術館とか博物館とか、結構連れ回されていたんです。だから、ものづくりをすることや、展示をすることに対しては抵抗がなくて、当時の経験が生きているかもしれません。
インタビュー:今井夕華